すっかり遠い季節となった夏。
京成電鉄は期間限定で「京成沿線おでかけきっぷ ~いい日、おでかけ~ 」なる切符を販売しておりました。京成線内が乗り放題となる1日乗車券が3回分で3,000円。1回あたり片道500円分移動すれば元が取れてしまう素晴らしい切符でした。いわずもがな、コロナで厳しい状況となった鉄道を少しでも…との思いで販売されたことが容易に想像できます。
そんな切符を購入しまして、3回に分けて京成線を乗りつぶしました。
1回目は京成千原線。どの路線とも接しない盲腸線ということもあり、未だ乗車したことのない路線です。ありがたくお出かけ切符を大いに活用させてもらいました。
青砥から都交5300形に乗車。行き先は一つ隣の高砂ではありますが、その高砂で快速 佐倉行きに変わりそのまま乗車できる列車でもあります。朝方の運用から日中帯の運用に変わるさなかに生じる扱いのようです。
京成津田沼で下車…
快速特急表示の3500形を眺めて時間調整し、
ちはら台行きの列車に乗車。
終点のちはら台に到着。
ちはら台の時刻表。平日朝ラッシュ時でも毎時4本。千原線が単線で行き違い設備の制約がある所為なのか、発車する間隔がアンバランス。日中帯は20分間隔となり決して便利とは言い難い。
終点方は小湊鉄道の海士有木駅への延伸を見越し、敷地が伸びております。また、入換信号機が建植されており、引き上げ線としての機能を持たせているようです。
おゆみ野方は画像中央付近に車両基地(ソーラーパネルが設置されている場所)が設けられることを意図していたようで、敷地幅が広くなっております。
ホームは1面2線の島式ホームとなりますが、延伸を見越して更に1面増やせる構造となっており、ホームが確保された敷地、階段の追加設置を想定した床版が見受けられます。
駅舎においては右側のコインロッカー部が増設ホームへの階段設置スペースとなっております。
また、エレベータが設置されている辺りも階段設置のスペースだったようで2面のホームともハの字のように階段が設置されることを想定していたものと見受けられます。しかしながら、エレベータが設置され階段の追設どころか延伸自体も…列車の運転本数や誰一人いない駅舎からお察しな感じでしょうか。
利用者が少ないのは運賃の高さでしょうかね?
外野である私がどうこう言えたものではないですが、千原線の前身である千葉急行電鉄の経緯や京成津田沼の隣の運賃が一気に100円上がる体系となっている辺り、不憫な路線だなぁと。
人の少なさと対象的に駅舎は立派でした。一方で背後にはマンションが建っており、決して人跡未踏の秘境というわけでもありません。
終点方を少しばかし観察。
この辺りは幅員が線路3本分を想定しているようで、上下線と折返し用の引き上げ線を設けるものと思われます。
更にその先も敷地は伸びており、幅員は複線分に狭まります。
未成の遺構として、擁壁が一部存在しております。
敷地は村田川を境に途切れます。その先は用地買収されておらず痕跡はつかめません。
ただし、辰巳台の辺りは線路用地が確保されており見に行ってみたかったものの、真夏ということもあり、そこまで行く気力もなく駅へ戻ることに。
ちなみに線路用地の境界標は市原市でした。
駅へ戻りつつも車両基地予定地も見てみることに。
とはいえ、元々用地のみ確保していたので何かがあった訳でもなし。
敷地の規模的には京成電鉄でいうところの検車区のような日常の検査を行う車庫を建設するつもりだったのかしら。
車庫らしいものは無かったものの、おそらく「千葉急行」と記されているであろう境界標を見つけることができたのはちょっとした収穫でした。
続く